馬追(マオイ)とは、「ハマナスの咲く丘」と言うアイヌ語だそうです。
千歳から車で約30分ほど、北海道の広大な農村風景を眺めながら走ると長沼町という街に出ます。
この町のはずれにマオイの丘と言う小高い丘(馬追山)があり、石狩平野を一望できる絶景のビューポイントです。
もう一つ、この丘には、辻村もと子(1906~1946)の文学碑があります。
北海道開拓にかける若き父親をモデルとして描いた長編小説「馬追原野」で第1回樋口一葉賞を受賞しました。
勿論初めて知ったことです。
~強慾な冬の力に反抗するやうに、時折、ぱあっと、明るい名残の陽ざしが顔を出すのだが、
その光は明るい割に弱々しく、すぐ灰色の雲に押しのけられて、
ガラスの屑のやうな硬いこまかな雪片が風と一緒に横なぐりに野面をおほってしまふ。
馬追の開墾地の人々は、まだ畑に掘り残してあった馬鈴薯の残りを、
総がゝりで小屋に運んでゐた。~